歴史的建造物「ストロングビル」解体前に一般公開

ストロングビル

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 横浜市都市整備局は8月20日、戦前に建造された歴史的建造物「ストロングビル」(横浜市中区山下町)の建て替えにあたり、新築されるビルの低層階に外壁のデザインが復元されることを発表した。

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 「ストロングビル」は、1938年に横浜出身の矢部又吉さんによる設計で、鉄筋コンクリート造地上3階、地下1階の建物。外国商社の事務所として建造された。市内の数少ない戦前のオフィスビルの遺構としてドラマ「私立探偵 濱マイク」のロケ地になるなど親しまれてきた。

 今回、同ビルの建て替えにあたり、横浜市は所有者であるストロング・エンド・カンパニー(ファーイーストリミテッド)に対し同ビルの保全を要請。その結果低層部の3面(横浜公園側を中心とした3面)に現在の外観意匠を忠実に再現し、正面玄関部を中心に、一部既存の部材を再利用する方向でまとまった。

 新築されるビルは、13階建てで、建築面積は約1,215平方メートル、延べ面積は約13,336平方メートル。1・2階が店舗、3~12階はダイワロイヤルが運営する299室を備えるビジネスホテル「ダイワロイネットホテル」、13階はブライダル施設となる予定。来年にも建築工事と復元工事を開始して、2009年の竣工を目指す。

 横浜市では、解体前の9月1日・2日の2日間、解体される同ビルの一般公開を行う。一般公開は10時~16時。見学無料。同1日には14時から会場内で吉田鋼市さん(横浜国立大学教授・横浜市歴史的景観保全委員)による解説が行われる。

 横浜市都市整備局の担当者は「保全に関しては日本建築家協会(JIA)からの要望や、地域の声など地道な働きかけ、所有者の協力がなければ実現しなかったと考えている。これまで一般公開していなかったが、解体にむけて現在の姿を皆さまにご覧いただきたい」と話している。

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