明治の文化人「小島烏水」の版画コレクション展-横浜美術館

フィセント・ファン・ゴッホ「医師ガシェの肖像(パイプを持つ男)」
1890年 エッチング 横浜美術館

フィセント・ファン・ゴッホ「医師ガシェの肖像(パイプを持つ男)」 1890年 エッチング 横浜美術館

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 横浜美術館(横浜市西区みなとみらい2、TEL 045-221-0300)で1月22日より、横浜出身のコレクター小島烏水の「版画コレクション展」を開催する。

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 小島烏水は、横浜に育ち、小横浜正金銀行の行員として勤務するかたわら、紀行文学者、浮世絵研究者、版画コレクターとして多彩な活動を展開した明治時代の文化人。日本山岳会を創設した登山家しても知られる。渡米時代にはピカソ、デューラーなど500点以上の西洋版画を収集し、水彩画家の支援なども行った。同館では900点近くの烏水旧蔵の版画コレクションや資料、著作や遺品などを収蔵しており、同展では収蔵品を中心に約250点を展示し、烏水の人生と美術にかかわる活動の全貌を明らかにしようとする。

 展示作品は、ゴッホ、デューラー、ルノワール、ミレーなどのエッチングやリトグラフ作品、葛飾北斎、歌川国周の浮世絵版画、明治期の石版画のコレクション、烏水が支援した画家らの水彩画など。会期中には、ギャラリー・トークやワークショップ、市民コレクターのための美術品ケア講座や専門家による美術作品の診断会など、関連イベントも多数開催される。

 同館学芸担当は「烏水は銀行員を続けながら、登山家、作家、版画研究家、版画コレクターとして活躍した『スーパーサラリーマン』。多彩な活動に一貫する『東西交流の視点』を生み出した明治の横浜の空気も感じてほしい」と話している。

 開館時間は10時~18時(金曜日は20時まで開館)。木曜休館。入場料は大人=1,000円ほか。4月4日まで。

横浜美術館

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