
象の鼻パーク内の休憩施設「象の鼻テラス」(横浜市中区海岸通1)で現在、スタジオニブロール・テキスタイル展「Surface Studies YOKOHAMA」が開催されている。
象の鼻テラスでは、日常的にアーティストの表現に出会う機会の創出を目指した展示シリーズ「ZOU-NO-HANAGALLERY SERIES」を2020年から継続。シリーズ第13弾となる今回は、横浜を拠点に活動するファッションデザイナーでアートディレクターの矢内原充志さん(スタジオニブロール)の新作テキスタイルを中心とした展覧会を開催している。
矢内原さんは1975(昭和50)年生まれ。愛媛県今治市出身。桑沢デザイン研究所を卒業し、1997(平成9)年~2011(平成23)年に国際的に活躍するパフォーミングアート・グループ「ニブロール」のディレクター・衣装担当として活動。 平行して、2002(平成14)年~2009(平成21)年に「Nibroll about Street」名義で東京コレクションを発表。東日本大震災後、表現活動を見直し、2011(平成23)年からリアルクローズのメンズブランド「Mitsushi Yanaihara」を始動。「2012tokyo新人デザイナーファッション大賞プロ部門」に選出。 衣装家として海外を中心に活動しながら、国内でアートディレクションを手がけ、現在はスタジオニブロールの社長と、桑沢デザイン研究所の非常勤講師を務めている。
会場では、布と向き合ってきた矢内原さんが、あらためて「原点」に立ち返り、自身を取り巻くクリエイターたちとの対話や交流から生み出したという作品が並ぶ。
矢内原さんは「今までは作りたい服からの逆算でたくさん布をデザインしてきたが、今回は何に使うかを縛りすぎず、マテリアルそのものに向き合った」とコメントし「あいまいな、ゆらゆらした、不安定な布という素材に、今考えていることをのせて、みなさまに届けたく思う」とも。会場担当者は「布そのものの質感や動きに着目し、素材や製造技法と向き合うことで生まれた繊細な表現。その奥行きを、ぜひ会場で体感して」と来場者を呼びかける。
開催時間は10時~18時。7月27日まで。入場無料。