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女優・五大路子さんが「横浜ローザ」の本出版 戦後を生きた人たちの思いを語り続ける

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 女優・五大路子さんの著書「Rosa 横浜ローザ、25年目の手紙」が発売された。出版は有隣堂(横浜市中区伊勢佐木町1)。

「We meet Yokohama Merry」五大路子さん、森日出夫さん、中村高寛さんでYouTube

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 「横浜ローザ」は、白塗りの化粧に白いドレスを身にまとい、終戦後、横浜の街角に立ち続けていた伝説の娼婦「ハマのメリーさん」をモデルにした一人芝居で、五大さんは1996(平成8)年から同作を演じ続け、来年で上演25周年になる。

 出版を考えたのは2年前。きっかけは自分自身を見つめ直すためだった。ローザの命をつむぎだすことに夢中で、過去を振り返る余裕はなかったが、あと2年で25年になることに気付いた。

 芝居を通じて感じたことを書き留め続けてきた何十冊ものノートがあった。「舞台では伝えられる人数が限られるが、文字にすればより多くの人に伝えられる」と思った。書籍は「白い顔の娼婦 メリーさんの伝説」、「赤い靴のローザ 横浜からニューヨークへ」、「マリンブルーの街で ローザは変わり続ける」の3部で構成。

 五大さんは「出版後に色々と考えた。コロナ禍で閉塞感が漂う今は、戦時中とは違うけれども大変生きづらい時代。戦争から立ち上がって生き抜いてきた人がいるように、現在のつらい状況をどう生き抜いていけばいいのか、生きることとは何かを問いかけたい」と話す。

 今年の「横浜ローザ」の公演は新型コロナウイルスの影響で中止。「来年は必ずローザを演じる」と意気込む。現在の困難な情況を乗り越えた後に、どのような横浜ローザが生まれるか楽しみという。「福富町のGMビルでメリーさんと握手した日から横浜ローザは始まった。ローザは今も生きていて現在進行形の物語。将来は、広島・長崎・沖縄、そして世界中へトランク一つ持ってローザを演じに行きたい」。

 B6版・157ページ。1,500円。有隣堂や市内書店、アマゾンなどで扱う。

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