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ノーベル平和賞「WFP」日本事務所代表ら、受賞報告で横浜市長訪問

林文子横浜市長(右から2人目)を訪問した国際連合世界食糧計画(WFP)日本事務所代表の焼家直絵さん(左から2人目)。(撮影=中村樹嶺)

林文子横浜市長(右から2人目)を訪問した国際連合世界食糧計画(WFP)日本事務所代表の焼家直絵さん(左から2人目)。(撮影=中村樹嶺)

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 2020年のノーベル平和賞を受賞した国際連合世界食糧計画(WFP)の日本事務所(横浜市西区みなとみらい1)代表の焼家直絵さんらが11月4日、受賞の報告に林文子横浜市長を訪問した。

市長への報告後、インタビューに答えるWFPの焼家さん

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 1961(昭和36)年に設立されたWFPは伊ローマに本部を置く国連機関。世界の紛争地などで飢餓に苦しむ人々を支援し続けている。平和と安定に貢献してきた活動が評価され同賞を受賞した。国連は2030年までに飢餓人口をゼロにする目標を掲げているが、現在も6億9000万人(世界人口の11人に1人)が食べ物の確保が困難とされる。WFPは、平和が飢餓を無くすために重要な役割を果たすことと、平和を実現するための手段として食料を活用していくことを常に訴えてきた。

 WFPは2020年、食糧支援の対象者数を前年比4割増で過去最大規模の1億3800万人に拡大した。受賞が発表された10月9日、WFPは「新型コロナウイルスの大流行によって、飢餓に苦しむ人々の数は倍増し、3億人に達することが危惧されている」と警告。コロナ禍では、民間航空機が止まったり、国境が封鎖されたりするなどして飢餓に苦しむ人が増える中、民間航空機の代わりに人道支援航空機を飛ばすなどして、必要とされる物資と人を届ける活動を継続している。

 焼家さんは受賞に関し、「最前線にスポットが当たった」と話し、現場で、命懸けで活動するスタッフの努力が認められたことを伝えた。林市長は「横浜も2月にダイヤモンドプリンセス号での集団感染があった。WFPの、いつでも変わらない姿勢に勇気をもらった」と話した。横浜市との今後の連携については、「環境問題やエコ活動などに取り組んでいる横浜市と一緒に今後、飢餓のない世界を目指したい」とも。

 今後の活動について、焼家さんは「今回のノーベル平和賞は支援者と、まだ飢餓に苦しむ6億9000万人の人と一緒に受賞した。飢餓に苦しむ人たちに必ず支援を届けることが、今後ますます重要になる。国際協力、国際的連帯の必要性と共に、飢餓ゼロが平和につながることもしっかり発信したい。日本は平和構築で今後リーダーシップを発揮できる立場にある。日本の人たちと一緒に支援の輪が広がれば」と支援を呼び掛ける。

 WFP日本事務所は1996(平成8)年10月、横浜に開設。国連WFPの食料支援活動に対する支援窓口として、日本政府との連絡・調整業務、企業や各種団体・NGOとの協力関係の推進、広報活動を行っている。

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