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横浜をイメージしたフォント「濱明朝」が発売 8年越しに完成

9,498字を6ウエイト×4バリエーション展開する

9,498字を6ウエイト×4バリエーション展開する

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 タイププロジェクト(東京都練馬区)は7月24日、都市フォントプロジェクトの一つとして2009年から開発してきた「濱明朝」の発売を開始した。

「濱明朝」が採用された馬車道商店街協同組合の150周年記念バナー

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 横浜をイメージした同フォントは、港を往来するフェリーや水平線をイメージしたほっそりとした横画に対し、海上から望む建築群を表現したどっしりとした縦画の太さを持たせた明朝体。縦画と横画の対比を際立たせ、都市の幅の広さや、新しいものを取り入れるといった横浜の懐の深さを表す。欧文は風にはためく旗や錨をイメージし、漢字との調和を考慮したモダンローマン体を採用している。文字セットは9,498字。

 展開はキャプション、テキスト、ヘッドライン、ディスプレイの4つのバリエーションに、それぞれ6ウエイトの計24フォントを用意。見出しやタイトル、本文や注釈などの幅広い用途での使用を想定して、一貫性を保ちながら太さのバリエーションを持たせた。

 価格は1ウエイト20,360円、6ウエイトセット (EL/L/R/M/B/H)110,000円(CD-ROM版113,000円)、24フォントセット(6ウエイト×4バリエーション)390,000円(CD-ROM版393,000円)。

 都市フォントプロジェクトは、「AXIS Font」や企業のコーポレートフォントなどを手がけるタイププロジェクトが、都市のアイデンティティー形成に役立てようと2009年にスタート。これまで名古屋の「金シャチフォント」と「東京シティフォント」を発表している。

 「濱明朝」デザイナーの両見英世さんは「新しいものを受け入れるという開港以来の風土を、現代まで続く横浜のアイデンティティーの一つと捉えデザインに取り入れた。横画が細いので、はみ出てはいけないストロークがはみ出てしまったりということが多く、エラーのチェックと修正はほかの書体に比べて時間がかかったが、2009年から制作を進めてきた濱明朝を皆様に使っていただけるようになり、とても嬉しく思っている」と話している。

 濱明朝は、馬車道商店街協同組合の150周年記念ロゴタイプや、大佛次郎記念館、横浜市電保存館 しでんほーるのサインなど、市内での採用が広がっている。

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