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地下鉄ブルーライン延伸区間「あざみ野~新百合ヶ丘」概略ルートと駅位置

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 横浜市は、横浜市営地下鉄ブルーラインを延伸する事業を進めている。現在の終点あざみ野駅から、川崎市内を通り、小田急電鉄の新百合ヶ丘駅まで延伸する。


横浜市営地下鉄ブルーライン、延伸予定の概略ルートと駅位置図(2020(令和2)年横浜市・川崎市記者発表資料より)

 延伸区間「あざみ野~新百合ヶ丘」の新駅予定地は、嶮山(けんざん)付近、すすき野付近、ヨネッティー王禅寺付近、新百合ヶ丘駅南口付近の4カ所で、駅名は未定。延伸区間の移動時間は、現在、路線バスを利用すると約30分だが、同区間の地下鉄が開通すると、約10分に短縮される。

横浜市営地下鉄の歴史、新ルートが決まるまで

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 横浜市営地下鉄は1972(昭和47)年に伊勢佐木長者町駅-上大岡駅間が1号線として開業後、5回の延伸を経て、1999(平成11)年の第6期開業時に現在の路線になった。ブルーラインは、湘南台駅 - 関内駅間の1号線と、関内駅 - あざみ野駅間の3号線を合わせた愛称。1号線と3号線は直通しており、関内での乗り換えは発生しない。


ブルーライン湘南台駅 - 関内駅間の正式名称は横浜市営地下鉄1号線(横浜市交通局サイトより)


ブルーライン関内駅 - あざみ野駅間の正式名称は横浜市営地下鉄3号線(横浜市交通局サイトより)

 3号線の終点あざみ野駅から、新百合ヶ丘方面への延伸を検討することは、1981(昭和56)年策定の横浜市の総合計画「よこはま21世紀プラン」から記されていた。


新百合ヶ丘方面への延伸の検討が明記されている(1981年発刊「よこはま21世紀プラン」より)


あざみ野から新百合ヶ丘方面に矢印が出ている(1990年発刊「よこはま21世紀プラン」見直し版より)

 その後、2000(平成12)年の運輸政策審議会答申では、2015(平成27)年までに、あざみ野~すすき野付近は開業することが適当、すすき野付近~新百合ヶ丘を整備着手することが適当であるとされたが、横浜市・川崎市間の調整等に時間を要していた。

 事業化に向けた基礎調査は2011(平成23)年度に開始。2019(平成31)年1月に、延伸区間の費用対効果と採算性が認められ、横浜市として事業化することとなり、2020(令和2)年1月に延伸区間の概略ルートと駅位置が決定された。


2019年1月、横浜市と川崎市は、相互連携・協力に関する覚書を締結(2019(平成31)年1月、横浜市・川崎市の記者発表資料より)

 協定締結時、林文子横浜市長は「両市の市民が待ち望んでいる路線。連携を図りながら、早期実現に向けて取り組む」、福田紀彦川崎市長は「北部地域のまちづくりが、ダイナミックに動き出すこととなり、大変意義のあるもの」と述べていた。


2019年は候補3ルートをベースに事業化を決定。翌年に東側ルートに決まった (2019(平成31)年1月、横浜市・川崎市の記者発表資料より)

 

グリーンラインは4号線

 ちなみに、市営市営地下鉄の別路線であるグリーンラインの正式名称は横浜市営地下鉄4号線で、2008(平成20)年に、日吉駅-中山駅が開業した。路線の愛称は「ブルーライン」「グリーンライン」ともに、2006(平成18)年に先行して決定した。

 また、2号線については、並行する京急本線の混雑緩和を図るバイパス線として、屏風浦駅から根岸駅付近と横浜駅を通り神奈川新町駅までの路線が検討されていたが、京急の輸送力が増強され、建設の必要がなくなったため、欠番となっている。

ブルーライン延伸の今後の予定

 2020(令和2)年度からは環境影響評価手続や鉄道事業法手続などが進められる。検討開始から40年近くの年月を経て、延伸事業は今、大きな一歩を踏み出している形となる。


今後の想定スケジュール(2020(令和2)年、横浜市・川崎市記者発表資料より)

 横浜都心部からの移動を考えると、現在、関内駅からあざみ野駅経由で新百合ヶ丘駅までは、路線検索で午前8時に出発すると、9時17分到着と1時間20分近い時間がかかっている。延伸後は乗り換え無しで45分。35分の差は、どのような流れの変化を生むだろうか。

 横浜・新横浜都心、港北ニュータウン、新百合ヶ丘・多摩ニュータウンなど、横浜と川崎市北部、多摩地域を結ぶ、新たな都市軸が形成される。新区間の開通目標年次は2030年となっている。

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